仙台高等裁判所 昭和27年(う)423号 判決
記録を精査するに所論のとおり原判決は原判示第六事実の証拠として大蔵事務官の作成した昭和二十五年七月七日附菅井三五郎に対する質問顛末書を掲げているが原審第五回公判調書によれば右は原審証人菅井三五郎の証言の証明力を争うための証拠として取調をなしたものである事実を確認しうるのであつて斯る証拠は直ちに之を採つて有罪事実認定の資料となしえないこと言を俟たないところであるのに原審は漫然之を採つて原判示第六事実認定の証拠となしており、この証拠を外にしては同事実を認定するに足る証拠がないことを窺いうるのであるからこの点に関する原判決は採証の法則に反して判決に影響を及ぼすべき事実誤認をした違法ないし判決に理由を附しない違法があるといわなければならない。
(後略)